MovableTypeのスマートフォン対応については、携帯サイトに対応している各種サービスに付随して、スマートフォンにも対応しているものがほとんどである。
「MT5で各種デバイス対応考~その1携帯端末」で紹介した「Movable Type 5 携帯Pack」をはじめ携帯サイトだけでなく、スマートフォンにも対応している。
基本、MTの場合、スマートフォン用の各種テンプレートを用意することで、比較的携帯端末よりは導入が意外に簡単かもしれない。(携帯よりも機種がまだ少ないこと、PC用を少し軽くする簡易表示などへの対応でもOKなど)
しかし、携帯サイトより少し表示幅を大きくしただけの対応だけではなく、やはりスマートフォン独特のナビゲーション、ボタン・アイコンなどに対応したテンプレートであることが望ましい。
MT5に簡単導入できる各種サービスを紹介する。
(今回は有料ではなく、低価格、無料で導入できる方法を中心に)
1.スマートフォン対応のテンプレート
1)MT underHat テーマ 002 - カンバス
MT5のテーマ(テンプレート)を配布しているサイトMT underHatで、PC+スマートフォン対応のテーマMT underHat テーマ 002 - カンバスを配布している。
但し、テーマでの配布なので、PCの表示がメインでありその中のテンプレートにスマートフォン用のテンプレートもあるという形である。
テーマでの提供なので、導入はいたって簡単。
但し、導入するためには必須プラグインが2つあり、これがないと再構築エラーがでるので必ず必要になってくる。
ただし、この2つのプラグインは、MTになぜデフォルトで付いていないんだ!と思う便利な機能なので、導入しても有効なプラグインだ。
ちなみに外部プラグインの導入デメリットは、導入するためのサーバへのアップロードなどの知識の有無、MTのバージョンアップ時の互換性の問題などもある。
ブログとしての運用としては、申し分ない。
CMSとしての運用では、トップページテンプレートのカスタマイズが必要になってくるかと。
ライセンスは「ドネーションウェア(カンパウェア)」、ライセンスを確認した上での利用を。
その他のテンプレートもシンプルで、テキストベースでオシャレ。
2)iPhoneテンプレート for MT
crema designサイトで早くから配布されている「iPhoneテンプレート for MT」
その後、バージョンアップされていないようですが、利用者がいろいろ改善しながら利用されている。
iPhoneと限定しているようにiUIライブラリ(iPhone専用ライブラリ)を使っている。
本来ならiPhone限定のようですが、アンドロイドでも表示されるようだ。
が、現状ではiPhone限定よりスマートフォン対応版が望ましい段階にきていると思う。
現段階でMTは、スマートフォン全般対応に対しての動向は商用ベースになってきているように感じる。
WordPressは、もともとがオープンソースがベースなので、それに対応するものもフリーが基本であり、簡単には比較できないが、やはりスマートフォン対応に関しても、MTよりもWordPressの方が充実している感あり。
WordPressでは、早くからスマートフォン用プラグインがいくつか配布されており、導入も簡単だ。
もちろん、有料プラグインもあるが、無料プラグインでも利用できる。
また、日本でもテンプレートキングで、そのプラグインに対応したiPhoneテンプレートを配布している。
今後のスマートフォン拡大に向けて、MTとの連動が活発化することに期待したいところである。
HTML5とCSS3に対応した時期バージョンMT5.1であれば、スマートフォンとの互換性も良くなってくるので、ベースのテンプレートの改良での対応も可能になるとうれしい。
2.スマートフォンサイトエミュレータ
スマートフォンの実機がなくても、PC上でプレビューできるソフトやサービスの紹介。
表示だけでなく、アプリなどの動作も確認したい場合は、開発者用のAndroid SDKなどがあるが、これは設定なども煩雑で重たいソフトなので、今回はWeb表示のためのiPhone専用エミュレータのみ。
1)iBBDemo2.0
これは、iPadとiPhoneの2つの表示が確認できる。
切り替えにより、iPadとiPhoneの大きさに表示される。
導入は、簡単なのだが、iBBDemo2.0のダウンロード場所がちょっとわかりにくいので、「Webと人のアマモ場」サイトの「Phone,iPadをPC上でエミュレータ「iBBDemo2.0」使い方?快適にシュミレーション可能」が分かりやすい。
縦、横向きに簡単に変更することも簡単にできる。
2)iPhoney
Mac OXS用、iPhone用エミュレータ。
Windowsユーザは使えないので限定される。
このエミュレータ、各ページ毎の表示は充分であるが、やはり、画面遷移などは実機で行ったほうがわかりやすい。
いずれにしても、携帯電話同様、スマートフォンもOSが複数存在し、同じOSでもバージョンもすでに複数が存在する。なので、PCのブラウザ、携帯電話同様の対応が必要になってくるのは同じである。
HTML5とCSS3が、この環境の差異に貢献してくれるのか、こちらも含めて理解していかなければならない。
さて、次回はこのスマートフォンOSなどの影響を受けないで、Webサイトが簡易でつくれるjQueryMobileについて考察し、MTでの構築方法を考える。